金銀糸がいつから存在していたのか? 詳しい資料は残念ながら残っていないそうです。
ヨーロッパではローマ帝政時代に、中国では初唐時代にはすでに金銀糸が存在していた痕跡があるようです。
日本では滋賀県甲山古墳から出土した金糸のかけらが、国内で最も古い金糸だとされているそうです。
6世紀ごろの遺跡だといいますから、縄文時代後半から弥生時代にかけての年代でしょうか。
身分の高貴な方の装束の飾り刺繍に用いられていたようですね。
おそらく、ヨーロッパからシルクロードを伝って、中国、朝鮮半島、日本まで伝わってきたのでしょう。
1500年~2000年間にわたって金銀糸の文化が育まれていることを思うと、悠久のロマンを感じます。
金銀糸の太さの番手を表す表記としては『掛』(かけ)という単位で用いられています。
細い番手から順に一掛(いちかけ)、二掛(にがけ)、三掛(さんがけ)・・・といった具合に順に太い番手になっていきます。
「掛」は一束(そく=長さ)一匁(もんめ=重さ)が一掛です。
一束とは糸枠・四尺二寸(1.27m)百回転させて仕上げさせたものです。一匁は尺貫法で、およそ3.75gです。
ですから、およそ127mで3.75gのものが一掛です。以下127mで7.5gのものが二掛となります。
特に太い番手について、私どもの間や、あるいはお付き合いの長いお客様の中には
十四掛のことを『無頭』 (ずなしと読みます)
十六掛のことを『大無頭』 (おおずなし、略して『おおず』ということもあります)
十八掛のことを『大大無頭』 (だいだいずなし、おなじく略して「だいだい」ということもあります)と呼ばれることがあります。
随分昔からそのように表現されていますが、なぜそのように呼ぶのでしょう?
じつは詳しくわかっておりません・・・。またしらべておきます・・・。
漢字の読ませ方が古文的な独特の言い回しで、興味深く感じますね。
織物や組紐、刺繍などさまざまな技法、使用法、または作品、製品によって使われる太さは千差万別です。
当店ではほとんどの本金糸、ソフト金糸に関して、一掛から十八掛までの太さをとりそろえております。
(※色目によってはすべての太さの番手が揃わない場合がございます。
詳しくは『商品のご紹介のページ』をごらん頂くか、直接当店までお問い合わせくださいませ。)