当店の製造する本金糸の素材には純度の高い本金箔を使用しております。
その本金箔を製造する過程でできあがる副産物が「ふるや紙」 あぶらとり紙として親しまれている品物です。
金箔を薄く引き延ばす箔打ちをするために金箔との間に使われる雁皮紙を「打ち紙」といいます。
何年にも渡って何万回と槌に打たれて使い終えた「打ち紙」を「ふるや紙」とよんで、最高級の「あぶらとり紙」として古くから使われてきました。
現代でもいろんな形であぶらとり紙として作られている品物のルーツが、この「ふるや紙」です。
金箔のかけらが表面に少し残っているのがお分かりいただけるでしょうか?実際にほんまに箔打ちのために使われていた「打ち紙」の痕跡です。
印が押してあるのは箔打ち職人さんが箔打ちを行なう際に、何千枚も金箔をはさむ紙の目を交互におくのに確認するために押してあるものです。
箔打ちに用いるために、この打ち紙自体にも随分と仕込みをして手間をかけて作られています。
雁皮の和紙を2週間ほどかけて灰汁と卵白に漬け込み、その後300万回ほど空打ちを施してようやく打ち紙として使用できるものになります。
「箔打ち職人一人に打ち紙作りの職人二人」というほどだそうです。
箔打ちの後に紙の繊維が砕かれて、お肌の吸脂に優れる特性が生まれました。
祇園の舞妓さんにお化粧直しに具合がとても良いと、ひろまっていったのは有名なお話ですね。
長年打ち紙として働いたために見栄えは少し悪いですが、使い心地はなかなか良いですよ。
水分を必要以上に吸い取らずに、余分な皮脂を取り除いてくれる感じです。